定期健診・クリーニングに行く2つの理由
- 投稿日2016年05月25日
なぜこちらの通り、歯を治したあとにそのままだとダメなのでしょうか?
なぜ、定期健診やクリーニングに行く必要があるのでしょうか?
「歯科医院は問題があってから行く所じゃないの?」
と思うかもしれません。
その疑問に対する答えを具体的な例えで解説していきます。
あなたは、いま自分の歯のどこに虫歯があるか分かりますか?
たとえば何本虫歯があるか?その場所はどこなのか?それとも全く虫歯はないのか?
たぶん分からないのではないでしょうか。
それは当然なのです。
歯科医師でも健診を受けない限り、
日常生活で自分の歯に虫歯があるかどうかを知るすべはありませんから。
「右上奥から2番目が初期の虫歯になりかけている。右上の奥から三番目の歯とはかぶせ物が不適合で虫歯になっている」
なんて風に感じる事はないのです。
もちろん、手鏡で見える程度であれば自分でも診断できますが。
ただ見えない場所などは、みなさんと同じように痛みが出たり、かぶせ物が外れたりして気がつくのです。
そして、そのような痛みや外れたりしてから治療を受ける場合は、かなり状態が悪くなっているという事です。
虫歯も歯周病もあまり進行していかないうちに治療する為に定期健診で早く見つけることが一つ目の理由です。
早期発見を可能にするのは、歯科医師といえども定期的なチェックを受けるしか道が無いのです。
もう一つの理由は、歯ブラシでは完全に歯についたプラーク(歯垢)を落とす事が不可能だからです。
歯科の世界で、プラーク(歯垢)の取り残しが何%ぐらいなら、歯ブラシがとても上手とされる指標だと思いますか?
1%? 5%? 10%?
もっと多いのです。
取り残しが20%以下なら歯ブラシがとても上手な指標なのです。
私たち、歯科医師・歯科衛生士でも歯ブラシ後に取り残しチェック
をすると20%位プラーク(歯垢)が残っているのです。
逆を言えば、すごく上手な人でも20%もの取り残しがあるのです。
一般的には20%どころか、50、60%の方はたくさんいらっしゃいます。
平らなお皿を見て汚れを取るのと違って、
奥歯は見えない・デコボコしている・歯と歯の間にスキマがある・ほっぺたが邪魔・実際汚れが取れているのか確認も出来ない・全て感覚で汚れを取るしかないので、歯の汚れを取るのは難しいのです。
歯ブラシの難しい要因はたくさんあります。そして、歯ブラシが上手く当たらない場所は毎回同じなので、その部分が虫歯になったり歯周病が進行してしまうのです。
そのような観点から、北欧や欧米では自分では取れないプラーク(歯垢)・歯石を定期的にクリーニングする事が当たり前になっているのです。
またプラーク(歯垢)は、細菌の増殖した塊なのですが、一度クリーニングでキレイにとっても除々に増殖していきます。
そして、時間の経過と共に悪性度の高い歯周病菌が増えてくるのです。
だからこそ、定期的なクリーニングして除去する事により歯を長く残す事が可能となるのです。